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皆さんこんにちは
株式会社シンエイ工業の更新担当の中西です
目次
第4回は「鉄骨加工が支える建物の安全性」について深掘りしていきます。
鉄骨加工というと、「鉄を切ったり溶接したりして形にする」作業をイメージされる方が多いかもしれません。でも実は、それだけじゃないんです。
鉄骨は**建物の“骨組み”**にあたる部分。そこがしっかりしていなければ、どれだけ見た目が立派な建物でも、災害時に大きなリスクを抱えることになります。
今回は、鉄骨加工がいかにして“見えない部分”から私たちの暮らしを守っているのかをご紹介します。
鉄骨は、建物を支える最も基本的な構造材。特に高層ビルや工場、大型商業施設など、強い構造が求められる建物には欠かせません。
鉄骨加工の中でも、溶接は極めて重要な工程。
各部材を溶接して接合することで、ひとつの大きな構造体へと仕上げていきます。
接合強度がすべて
溶接の品質が低ければ、そこが建物の「弱点」になってしまう恐れも。正確な溶接こそが、全体の強度を保証するカギとなります。
職人の経験が光る場面
鉄材の厚み、素材の性質、温度、作業環境などによって、最適な溶接方法は変わります。そこを見極めて加工できるのが、熟練職人のすごいところです✨
耐震性の向上
地震大国・日本では、建物の耐震性が命を守る大きな要素です。しっかりと加工された鉄骨は、揺れにしなやかに対応しながらも、構造をしっかり保ちます。
風圧・積雪にも強く
特に高層ビルや橋などでは、風の力が想像以上に建物に影響します。雪国では、屋根にかかる重さへの配慮も不可欠。そうした外的負荷に耐える骨組みをつくるのが、鉄骨加工の真価です。
鉄骨の強度や品質を保証するには、加工後の検査が非常に重要です。加工が終わったからといって安心はできません。実際に現場に使う前に、いくつもの厳しいチェックが行われます。
目視検査
熟練職人によるチェックで、表面の凹凸・亀裂・焼けムラなどを確認します。
非破壊検査(NDT)
X線・超音波・磁粉探傷検査など、内部の欠陥まで調べる技術が用いられます。目には見えないひびや空洞も、ここで見つけ出すことができます。
建物が正確に組み立てられるためには、鉄骨の長さや角度、ボルト穴の位置などが図面どおりでなければいけません。
±1mm以内の精度が求められることも
とくに大型建築では、ほんの数ミリのズレが何十メートル先で大きなズレにつながることも。正確な測定と管理が徹底されています。
一部の鉄骨には、実際に力を加えて強度を確認するテストが行われます。
地震や荷重など、リアルな条件下での挙動をシミュレーションし、安全を確認します。
鉄骨加工は、ただ鉄を扱うだけの作業ではありません。
強度を支える確かな加工技術
見えない不具合も見逃さない徹底した検査体制
災害に負けない建物をつくるという社会的責任
こうした技術と信念の積み重ねが、私たちの暮らすビルや公共施設を支えています🏢🏠
次回【第5回】では、さらに深く掘り下げて「鉄骨加工と図面の関係性」をテーマにお届けします📐
図面どおりに仕上げることが、なぜそれほど重要なのか?建築現場のリアルに迫っていきます!
どうぞお楽しみに✨
皆さんこんにちは
株式会社シンエイ工業の更新担当の中西です
目次
第3回のテーマは「鉄骨加工の技術と機械」についてです。
鉄骨加工と聞くと、機械が自動でどんどん形をつくっていく…そんなイメージをお持ちの方も多いかもしれません
でも実は、現場の最前線では熟練の職人技と最先端の機械技術がタッグを組んで、一つひとつの鉄骨を仕上げているんです!
今回は、昔ながらの手仕事の魅力と、進化を続けるハイテク機械の力、それぞれの役割にスポットを当ててみましょう✨
鉄骨加工には、実はまだまだ「人の手」が必要な工程がたくさんあります。
特に重要なのが、以下の2つの工程です。
溶接は、鉄骨を構造体として組み上げるうえで最も大切な工程のひとつです。
材料の厚みや形状、接合部の状態によって、熱の加減や作業スピードを微調整する必要があります。
職人さんは、目視だけでなく「音」や「手の感覚」でも状態を判断します。
鉄がちょうど良く溶けているときの音や色、手に伝わる振動など、**長年の経験でしか分からない“感覚”**がそこにはあります。
溶接後の鉄骨は、ただ組み上げれば終わりではありません。
表面のバリを削ったり、角を整えたりといった美観を整える仕上げ作業も大切な仕事です✨
また、最後の検査では、目視はもちろん、専用の道具や治具を使って細かな寸法やゆがみまでチェックします。
たとえ数ミリの誤差でも、建物全体の精度に影響が出ることもあるため、「妥協しない目」が品質を守っているのです
近年の鉄骨加工では、テクノロジーの進化によって作業効率や精度が飛躍的に向上しています。
ここでは、代表的な2つの機械をご紹介します!
この機械は、高温のレーザー光で鉄を正確に切断するハイテク装置です。
図面どおりの形に、まるで紙のようにスパッと切断できます。
精度はなんとミリ単位!
手作業では難しい曲線や複雑な穴あけも簡単にできるので、設計の自由度も広がります。
⏱️ さらに、手作業だと数時間かかる工程も、数分で完了。この時短効果は、工期短縮にも大きく貢献しています!
大量の鉄骨を短期間で加工する現場では、自動溶接ロボットが大活躍しています。
♂️ どの部品も均一な仕上がりになるのが大きな特徴。品質の安定性が非常に高く、大型ビルや橋梁などの高精度を求められる構造物にも最適です。
しかも、人が休んでいる夜間でもフル稼働可能!
納期がタイトなプロジェクトでは、機械の力がまさに頼もしい味方となります。
鉄骨加工は、「人の技術」と「機械の力」、どちらが欠けても成り立たない仕事です。
熟練の職人が、溶接や仕上げに魂を込める
最新機械が、スピードと精度を支える⚙️
両者のチームワークが、強く・美しく・安全な建物をつくり出している️
鉄骨加工の現場は、まさに“技術とテクノロジーの融合現場”。
見えないところで支えてくれている職人さんと機械たちに、ちょっと感謝したくなりますね
皆さんこんにちは
株式会社シンエイ工業の更新担当の中西です
目次
3Dモデルでは、鉄骨同士や配管・設備・外壁との干渉をバーチャル空間で事前確認でき、現場での手戻りを大幅に削減できます
またリビングモデル上で溶接・輸送・建て方順序をシミュレートできるため、ミスを未然防止する効果も大きいです
専用3D CAD(例:REAL4、KAP、Tekla Structures)は、部材の切断図・穴加工図・NCデータ・加工帳・工程計画をワークフロー一元管理できます
2D図面の手作業に比べ、作図速度が向上し、ヒューマンエラーも減少します。
3D画面で部材構成を立体視できるため、工場・現場関係者、および施主への説明がスムーズかつ説得力あるものになります
電子黒板やタブレットで「立体見せ」可能な体制は、顧客との打ち合わせや品質チェックにも有効です
3Dモデルを基に、部材の拾い出し・BOM作成・帳票発行・納期計画まで自動連係。従来の手配ミスや進捗遅れを防止し、工程可視化にも寄与します
非破壊検査(NTT/UT)計画や施工後の溶接品質検証も3D空間で事前設計可能。寸法公差・溶接部位置などをより厳密に管理できます 。
CADツールの導入・選定
– Tekla Structures、REAL4、KAPなど3D/BIM対応ツールを導入。
社内運用プロセスの整備
– 3Dモデルを中心に、加工図・NC・工程帳票への展開体制を構築。
関係者への教育・共有
– モデル閲覧用端末の整備とともに、現場・施主向け研修を実施。
PDCAによる定着
– 現場での問題点を3D上でフィードバックし、モデル精度を継続向上。
BIMのさらなる活用:構造・設備・建築各分野との連携深化で、統合的なプロジェクト管理が可能に
脱炭素・SDGs対応:3D設計で材量最適化、資源削減・廃材最小化も実現
デジタル連携進展:3DモデルとCNC機械の直結や、電子黒板を使ったプレゼンが常態化へ
3D図面導入は、単なる「見やすさ向上」に留まらず、設計の検証力向上・業務効率の抜本改善・品質保証・調達精度の強化といった幅広い効果をもたらします。現場でのミス・手戻りの削減と、顧客との信頼強化にもつながるため、今後の鉄骨加工業のスタンダードとなる流れです。
皆さんこんにちは
株式会社シンエイ工業の更新担当の中西です
~専門用語~
鉄骨加工業は、鋼材を切断・穴あけ・溶接などで形づくり、現場で組立てる一連の流れを担う職能です。正確な施工と安全を実現するために、「専門用語」を理解し、図面や仕様書に即した作業が求められます。ここでは、鉄骨加工・組立の現場で使われる重要用語をカテゴリ別に深掘り解説します。
用語 | 意味 |
---|---|
GL | グラウンドレベル。基準となる設計面の高さ。 |
L=5000 | 部材長さ(mm)を示す指示。例:5 mの鋼材。 |
Φ18 | 穴径18 mmのドリル加工を示す。 |
T=10 | 板厚10 mmを示す指示。 |
HTB/HTC | 高張力ボルトの種類。HTBは高張力ボルト、HTCは高張力キャップボルトの略。 |
用語 | 内容 |
---|---|
切断長 | 切断後の鋼材長さ。加工前に精度確認が必須。 |
マーク(刻印) | 鋼材に打つ識別番号。組立現場での部材一致確認に使用。 |
ドリル加工 | 穴をあける工法。ボルト径・位置・公差規定が重要。 |
溶接記号(JIS Z 3021など) | 図面上の記号で、溶接の種類や部位を指示。 |
ビード | 溶接後の盛り上がり部。墨筋に沿う適切な幅・高さが求められる。 |
用語 | 内容 |
---|---|
アンカーボルト | 基礎に打ち込み、柱を固定するボルト。長さ・埋め込み深さの管理が重要。 |
グレーチング | 通路床などに使われる格子状鋼材。荷重条件に応じて材料を選定。 |
仮ボルト | 仮組み用のボルト。本締めは検査後に行う。 |
正ボルト / 裏ボルト | 接合方向により区別。正面・裏面どちらから締めるか指定あり。 |
カラー入れ | 部材間隙をスペーサーで保持し、ズレや変形を防止する措置。 |
用語 | 内容 |
---|---|
NTT/UT | 表面・内部の非破壊検査。NTT=浸透探傷試験、UT=超音波試験を指す。 |
バリ | 切断エッジにできる突起。バリ取り(処理)により品質保持。 |
寸法公差 | 長さ・位置・角度などの許容範囲。組立精度に大きく影響。 |
R検査 | 部材のR曲げや穴位置など、R関連の検査項目。 |
表面処理(ケレン・塗装) | 錆止め・塗装等の下処理を含む一連作業。施工・乾燥条件の徹底が求められる。 |
図面の読解力が品質に直結
切断長・穴位置・ボルト仕様など、複数図面を照合して確認。
マーキングは真っ直ぐ・鮮明に
識別情報の誤解を防ぐため、墨線や刻印は丁寧に。
加工時のバリ処理と寸法確認
溶接・組立に支障が出ないよう、手間を惜しまず品質を担保。
非破壊検査は計画と記録が命
検査計画と合格証の管理で、現場での再チェックや証跡を明確に。
鉄骨加工業における専門用語は、品質・安全・効率を支える共通言語です。適切な理解と運用が、ミスのない現場と信頼に繋がります。特に図面読解・加工精度・検査手順を知り尽くすことが、一流の職人への第一歩です。